紙媒体とWebの違い |ターゲット(訴求相手)

最近はどうも心が晴れやかにならないフジカワです、こんにちは。むずむずします。

紙媒体とWebの違い

僕は紙とwebの両方の業務経験があります。
どちらも偉そうに大口叩けるほどのベテランではないことを自覚しつつも、
ターゲットにおける両者の違いをまとめてみます。
他にも比較要素はありますが、長ーくなりそうなのでとりあえずこれだけ。

ターゲット(訴求相手)

「ターゲット(訴求相手)」。
これは紙もwebもどちらもケースバイケース。
いきなりのざっくりとした結論で自分でもびっくり。
そりゃそうだ。訴求する商品によって訴求する相手が異なるのだからご容赦いただきたい。
ただ、どちらかというと紙媒体の方がターゲットは絞り込まれています。理由は一つ。
紙媒体の多くは掲載される媒体自体がすでにターゲット別に選別されているからです。

紙媒体別のターゲット

紙といっても複数の媒体があり、それぞれに特性が異なるので、それぞれ分けておきます。

新聞

基本的にミドルエイジ中心。若者は新聞読まないし、若者を中心に訴求する場合は別の媒体で行う。
古い世代の人達からの「絶対的な信頼」と、「ほぼ唯一の情報元」としての地位を築いているのが強み。一方、読み飛ばされたり若者に情報を届けられないのが弱み。ターゲットへの強みを活かして健康食品情報の宝庫。最近はテレビのほうでもウザくなってきました。蛇足ですが、あれは確実にTV視聴者の属性が高齢化している(若者がTV離れしている)、もしくは「カネを持ってるのは高齢者」であると、TV局/広告代理店が認知しはじめている証拠。

新聞折込

地域が選定されているのが大半。東京都の地元スーパーのチラシは北海道には入らない。チラシ投下は商圏エリアに限定されるが、かならずしもその投下エリア住人全てがその新聞を購読しているわけではないのが弱点。もしかしたら真の見込客はその新聞を購読していないかもというワナ。なので複数の新聞に同様のチラシを折り込ませ、複数の新聞(全国紙と地方紙)を購読している家庭には同じチラシが到着する厄介な事態に。そしてなにより、かならずしも投函した家庭に訴求相手となる属性が住んでいるとは限らないのがイタい。奥様に向けた週末への瞬発力という強みはあるが、無駄も多い。

雑誌

紙媒体の中では恐らくもっともカテゴライズが明確な媒体。趣味、ファッション、生活等々のジャンルにおいて、性別、年齢別に細かーくカテゴライズされているのが強み。ダイエットや豊胸の美容広告は男性誌には出さないし、必要無い。ただし、基本的には全国規模になるので出稿料がパネーのが欠点。メーカーや全国展開の会社が主なスポンサーとなる。絞ったターゲットへの訴求としては一番効率的。なぜならそもそも興味を持つ人間しか雑誌は購入しないから。しかしこういう時代になるとお金を出して雑誌を買わないのでそもそも情報を届けるに至らないという欠点も。「Webでいいし」とか言われるし。

フリーペーパー

最近元気があったりなかったりのフリーペーパー。製作のビジネスモデルそのものが広告宣伝を集めて行うものであるため、よほど景気の良い時やペーパーそのものの方針が定まっていないと老若男女をターゲットにしているケースが大半。特に地元密着系のタウンペーパーがその傾向にある。その他にはファッション系、美容系に特化したフリーペーパー。札幌では少し前に「美少女図鑑」がリリース。これは美容系ですね。女の子、カワイイ。
無料で配布できるのでリーチが広いのは強みだが、読まれずに廃棄されるケースも多く、掲載情報の全てがターゲットに届いているかは定かでない場合も多い。

ポスター(OOH)

電車内、駅構内、街頭、店内といたるところに設置しているOOH(Out Of Home)。リーチは基本的に全方位。店内等の特定属性だけが集まる場所のみに限っては絞り込んた対象とする。近年はデジタルサイネージ(Digital Signage=電子看板)も出てきたため、一概に紙媒体とは言えなくなりつつあるが、よほどのインタラクティブ性を持たない限りは一方的な視覚情報を送るという意味で紙媒体に近い。しかしカメラを付近に設置したりすることで視聴者の動きに合わせてアクションを変える仕組みをもったデジタルサイネージも増えてきており、今後の展開として伸びしろ盛りだくさん。ちなみに僕の住む札幌にはそんな素敵なデジタルサイネージはまだ無い(と思う)。課題は「忙しい日本人の足をどうやって止めるか」。
パブリックスペースで多くの人の目に触れるため、インパクトとアイディアを兼ね備えた広告表現は大いなるバイラルを生み出す可能性を持つ。

ポストカード(DM)

ターゲットはサービスのユーザー全般。個配なのでチラシと違って確実にターゲットに情報を届けられるのが強みである一方、他からのDMに混ざりこむことで一緒に「ポイ」というケースもちらほら。かつてはADカードなるものが流行った時期もあり、デザインのみを原動力に「いかに持っていってもらうか」という勝負も繰り広げられていた。人気のカードだけがラックから消える、という現象も。僕も学生時代にイケてるカードを持ち帰ってたクチ。こちらも一定期間飾った後は廃棄処分。

ではWebはどうか

ではWebのターゲットはどうか、というと、ここに課題が残る。というかその課題を言いたいがためにこのエントリーを書き始めたという噂もあるくらい(笑)。
Webというのは基本性質上、端末さえあれば「誰でも、いつでも、どこででも」見られるものである。さらに近年のブロードバンドやスマートフォン、ネット接続可能なゲーム端末の普及により、門戸は広がりまくっている。つまり、リーチだけの話でいうと相手はほぼ「全人類」といえる。
それがWebサイトの最大の強みである一方、場合によっては最悪のケースを引き起こす原因にもなる。「誰でも、いつでも、どこででも」アクセスできるあまり、Webサイトそのもののターゲットを絞り込まれていないケースが多いのである。
企業はわがままだ。できるだけの要望を叶えたいし、お金も儲けたい。せっかくコストを掛けてWebサイトを構築するのだから、できるだけ多くの人に見てもらって、わが社のサービスを利用してもらったり、商品を購入してもらったりしてもらいたい。そうして、社内外の沢山の意見を聞き入れて、全ての意見を満遍なく網羅した「的の絞れていない、浅く広く、誰の心にも刺さらないWebサイト」が完成する。
企業(担当者)は大満足だ。時間とコストを掛けて、多くの意見を等しく反映させた巨大なWebサイトができあがったのだから。誰の気分も損ねずに、役員全員の了承を貰える最高の仕事をしたのだから。
さて、このサイトは結果を出すか?答えはどちらかというと「否」。
成功するケースもあるかもしれないが、だいたいコケる。
恐らく構築の途中から「どのように魅力的なコンテンツをユーザーに届けるか」という論点が、「どうやって内部スタッフのみんなの要望を盛り込むか」という論点に摩り替わってしまうのが原因。「いや、そんなことはない」とお思いかもしれないが、大体がそのケース。もしくはそもそも当初から明確なターゲットを設定できていないことが原因で、構築の途中段階でアイデアがあっちいったりこっちいったりして関係者全員が疲弊しきってしまうケース。これも多い。結局色々なことがぐずぐずのままローンチするハメになり、謎な徒労感の割には凡庸なサイトができあがる。この場合の関係者全員の共通目的は「とりあえずWebサイトをなんとか完成させること」とう最低限の目標となり、その頃には当初あったであろう熱き想いは冷め切っている状態になる。

Webサイトには多くの役割がある。例えば
・紙でいう「カタログ」のような製品紹介情報
・IRレポートのような投資家に向けた情報
・折り込みチラシのような販促を目的としたカスタマー向け情報
・製品ではなく企業自体のPRを目的としたブランディング情報
その他多くの目的をWebサイトは一手に担っており、それら情報のターゲットはさまざまである。
それらを束ねて一つのWebサイトに盛り込むのである。大変でないわけがない。

「さまざまな目的をもってサイトを訪れるターゲットを、迷うことなく目的のページに誘導する。」
というゴールに行きつく前に、「どんなターゲットにどのような情報を届けるのか」というスタート地点にも立てていない。そんな場面になんど遭遇したことか。
作り手としては量をこなしているだけあって、「予算」「サイトボリューム」「出来ること、できないこと」というのは大体の話を聞けばイメージが沸く。
しかしクライアントはそうではない。「あんなこともやりたい」し、「こんなこともやりたい」。こうやれば「ああいう人達が喜ぶ」かもしれないし、こうすれば「社内の業務もうまくまわる」かも知れない、という「夢」が膨らむ。しかし予算は出さないし、出せない。

ではどうするのが良いか。
予算が無いならWebプロダクションor広告代理店に「要望の半分」だけを伝えて後は静かに見守るのが良い。そうすれば半分の要望を予定通りの予算で、予定通りの納期でプロ達が仕上げてくれるはず。半分の要望についてはしっかりと効果を出してくれるはず。余計な口を挟むとおかしくなる。「発注先を信じられる」かどうかが勝負の分かれ目。
予算に余裕がある場合は自分達と依頼先のプランナー、ディレクターの打ち合わせに、全作業時間の50%を費やせばいい。必要に応じて飲みに行くのも効果がある。あーだ、こーだ、あーでもない、こーでもないと、仕事に関係のない話を織り交ぜながら話をする。
そうして相手の意図を読み取るための土壌を作ったうえで、実務作業に入るとよい。
予想以上に良いサイトが出来上がる。恐らく予算は2倍掛かる。しかしコストをペイするにはそう長い時間を必要としない。結果的には双方共に良い結果になるのはこっち。

まとめ

自分で読み返しても突っ込みどころは多い。
・「ターゲット」と「リーチ」を各所で取り違えている
・Webの方はターゲットの話よりもフローの話になってる感がある
・何やら愚痴のようになっている
でももう書き直すのがメンドクサイのでこのまま放り出す。
「Webのターゲット」については後日改めて書かせてください。
ほんとすいませんorz。

話の書き始めと終わりで話がずれるのはプロットを作らずに「考えながら書いてる」からなんだろうなぁ。この書き方、楽でいいんだけど書き終わった後に「また脱線したか」って思っちゃうからイヤ。
誰か素敵な書き方教えてください。
それではまた。

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