AppleMusicやAWA等の聴き放題サービスがもたらす(かもしれない)もの

あれこれ色々と書きますが、もちろん試算したわけでもないし僕は業界の人間ではないのでこの話がどの程度実現するかはまったくもって保証できません。とはいえ今回の「聴き放題サービス」合戦が音楽業界に何の影響もないわけはありません。業界の中にはプラスに影響する人達もいればそうではない人達もいるでしょう。ただ、少なくともアーティスト、聴く側の双方にとってはハッピーな効果が出て欲しいし、より良い体験をできる機会が増えるといいなぁ、そんな期待を込めたお話です。

聴き手側の新しい体験が増えるかも

僕ら消費者が音楽に今までと同じお金を使うと考えた場合、体験できる事が増える。今まで音源CDを買って聴くだけだったけど、聴き放題サービスで出費を抑えられる分はライブで生の音楽を体験することに回せるようになる。

世の中に少しだけ仕事が増えるかも

みんながライブに行くお金を捻出できるようになれば色んなアーティストがライブをするようになる。そうすると施設や業界関係者の稼働率があがってお金が動く。もしかしたらスタッフの雇用が増えるかもしれません。

業界規模はむしろ大きくなるかも

「聴き放題になったらアーティストに今までのようにお金が入らなくなる」という話も耳にするので、ちょっと調べてみました。
ここ10年でみると、CDは生産金額ベースでミリオン連発の2005年の約3,598億円から2014年の約1,840億円と約1,758億円減少(日本レコード法人)。一方、ライブ事業規模は同じ期間で約1,049億円から2,749億円と1,700億円増加(コンサートプロモーターズ協会の統計)。最近はフェスが乱立してて夏のスケジュールを立てるのが大変な人達も多いですよね。
CDとライブの総金額ベースで考えると音楽業界全体の規模は実はさほど変わっておらず、むしろ近年のフェスの盛り上がりなど、ライブの伸び率と伸びしろを考えると、これからもっと業界全体の裾野が広がっていく可能性すら秘めています。

音楽が進化するかも

ライブという楽曲の提供方法を意識し始めると、今までとは異なるアプローチで音楽に取り組むアーティストも増えるでしょう。衣装とステージに莫大な予算をつぎ込んだ米米クラブ、定期的に「移動遊園地」と称する野外ツアーを展開するDREAMS COME TRUE、大人数パフォーマンスが楽しそうなEXILEのように「ライブで魅せる」ことをより意識した動き方や考え方が必要になります。今までとは異なる環境での音楽活動はアーティストにとっても大きな刺激になり、それぞれの音楽性をより大きく進化させるきっかけになることでしょう。聴く側の好みによって賛否両論あるかもしれませんが、好きなアーティストの音楽性をより深く掘り下げられるという意味では僕個人としては良いことと考えます。とにかくワーキャー盛り上がるライブも楽しいですが、アンプラグド、アコースティックなライブも良いですよね。

違法行為が減るかも

一昔前よりは減っているのかもしれませんがまだまだ違法行為はありそうです。それについて聴き放題サービスが減少に一役買うのではないでしょうか?わざわざリスクを負って時間を費やして数曲を入手するよりもいつでも手軽に聴きたい曲を聴ける環境が手に入るのですから。違法行為は割に合いません。ビジネス面で考えても違法行為による機会損失が減少するのは良いことです。

他にももっとあるかもしれませんが、とりあえず今日はこんなところで。

音源ビジネスに見切りをつけて10年前から活動の中心を興行にシフトしてるマドンナはやっぱりすごいですね。

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