リソース貧乏なのが好きです|リーダー

ご無沙汰しておりました。気がついたらすっかり雪景色の北海道からこんにちは、フジカワです。

まず、

先に言っておくけど、僕がリーダーやってるわけじゃないし、僕のリーダーがこうだって話でもないですからね。

お金の話じゃないんです

いきなりだけどケチな人ってリーダーに向いてないよね。
いや、お金の話ではなくて
「その人自身のリソースを分け与える事にケチな人」という意味で。
そりゃお金も含むと言えば含むんだけど、それが表面に出る機会ってそんなに頻繁な訳じゃないですよね。
例えば会社の飲み会で後輩達より少し多めに払うとか、たまにはおごってみるとか、そういう事だと思うんだけど、お金の事はあまり気にならない。
もちろん相当上の役職者なら「えー、それはないんじゃないのー?」という話になるだろうけど、ここでいう「リーダー」ってのは、社長とか、部長とか、そういう「すごく偉くて、たっぷりお給料を貰ってる人」じゃなくて、「現場のチームを取り仕切るリーダー」周辺の人のこと。「プロジェクトリーダー」とか、「ディレクション担当」とか、そういう感じの人の話です。なので、自分達とさほどお給料は変わらないってのがわかってる状況。おまけに結婚してたり、子供がいたりすれば、自由に使えるお金なんて下手すりゃ独身の新入社員より少ないこともありますもん。そんな人に「おい奢れよ」と言う話ではございません。

それ以外のリソースって何さ

「じゃ、それって何か?」というと、冒頭にもあるとおり、「(お金の話は置いといて)その人自身のリソース」です。例えば手を動かす時間、例えば頭を動かす時間の事。
仕事で困った時に相談に乗ってもらうにしても「話を聞く時間」、「考える時間」、それに「頭の疲れ」なんかをリーダーは消費するわけですよね。また、日頃から後輩の仕事に気を配って、何かあったら大きなトラブルに発展する前に対策を打つというのもそれなりに継続した「時間と気配り」を消費します。
そういった「リーダー自身のリソース」を惜しみなく後輩やチームメンバーに提供できる人間性ってのがやっぱりリーダーには必要なのかなと最近感じます。
いや、当たり前といえば超当たり前なんだけど、実感として理解した、というか。そんな感じ。

そうじゃない人だって必要よ

なんかさ、「自分の仕事を優先的に処理する」っていうオーラが全開の人いるじゃないですか。いや、別にそれが悪だというつもりは全くないですし、組織の中で仕事をするのにはむしろ当たり前の話です。そうやってまずは自分の仕事をしっかりする事でさらに上の仕事を任せてもらえる事にも繋がりますので。
ただ、だからといってそこに全神経を集中してる人の話はなかなか聞く気になれないですよね。「どーせ利己的な方向に話持っていきたいんでしょ」って勘ぐっちゃう。
そういう人にはもちろん向いているポジションってのがちゃんとあって、「WBS(分割構成)されたタスクを決められたスケジュールの中できっちり行う」という仕事には適任。むしろ心強い。予め砕いてさえおけば、仕事を安心して任せられるので。「あとは任せたー」みたいな。

チームパフォーマンスを底上げするのが仕事

逆に、「人の相談に耳を傾け、アドバイスを出し、全体の進捗に目を配った挙句の果てに自分は残業」みたいな人って僕としては「何とかこの人の手助けになりたいな」「お世話になりっぱなしだから、それに報いたいな」って思うんですよ。そんな仕事の仕方(残業)が良いかというとかならずしもイエスではありません。しかし一方で、大きなプロジェクトだったり、それに伴ってチームが大きくなればなるほどそういう作業って「大切な仕事」として必要になってくるのも事実です。プロジェクトの全体最適を維持しながら可能な限り個人最適も高めていく仕事。それが最終的なチームのパフォーマンスをぐいっと底上げしてくれます。ですが数字として見えにくい部分だからなのか、なかなか評価されにくい部分ですし、以外にそういう面倒をきっちりと見られる人に出会える機会というのは少ない。評価されにくい部分だと前向きにこういったことをする人自体が少ないだろうからしょうがないかもだけど。
僕は幸運にもそういった方達と出会う機会に恵まれ、仕事をご一緒させていただく機会を頂き、色々なことを学ばせていただいたと思っています。

でも気をつけたい

ただし面倒見てもらう側にも個人差はあるでしょう。
「おまえはもっと出来るし、このくらい自分で乗り越えるべきだ」
「おまえがそれを訊いちゃうのは甘えだろう」
という場面もあると思います。
リーダーが気を付けるべきは、「手助け」と「甘やかし」の境界をしっかりする事。そして「答えそのもの」を教えるのではなく、あくまでも「答えの見つけ方やそのヒント」を提供するという事。よく言う「魚を与えるのではなく、魚の取り方を教えなさい」的な感じ。
一番簡単なのは「さっさと答えを教える事」、一番難しいのは「(その人にあったレベルの)ヒントを出して本人に答えを見つけさせる事」だと僕は考えています。そして、その後者をやってもらえるというのは非常に有り難いことですし、そういったアドバイスを貰える人は、自分のリーダーに大量の「時間と頭脳」というリソースを提供してもらってると思うべきです。「質の良いアドバイス」ってのは仕事をする上でも、人として成長する上でも実に貴重です。というか、そういう質の良いアドバイスをもらえるような環境にいるってことは、「人として素敵な人」が近くにいるということと同義で、そんな方を身近に見るだけですごーく自分自身も成長できると思うんですよ。

もちろん強権発動も必要

もちろん会社の環境や、時々のプロジェクトの進捗状況によっては
「つべこべ言わずにゴリゴリやらせる」
「答えそのものを与えながらスピード優先でどんどん処理する」
「(鶴の一声的に)プロジェクトをひっくり返す」
という強権発動も必要。
チームの究極的な目的/目標は「プロジェクトを予定通りのスケジュールで、期待通り(時にはそれ以上)のクオリティーに仕上げる」ということに尽きるので、そのために必要なことはためらわずどんなことでもやってのけるという気持ちをチームのメンバーに見せることが一番大切なんですよね。

まとめと注意事項

というわけで、リーダーってのは周りにリソースを配りすぎて自分のリソースが常に赤字ぎみになる位が良いかなと思います。ただ、大赤字だと困ります。回りも焦るので(笑)。大事なのはバタバタしないこと。どっしり構えてないとやはり頼りないし、忙しそうにしてると相談もしづらい。水面下ではそれなりにバタ足してても顔は「どしたー?困ったことあったら何でも訊けー」みたいのが好きです。眉間にしわ寄ってたら近寄りがたいですもんね。
注意事項としては、経営者は多分これじゃ駄目でしょう。まったく経験無いので感覚でもの言いますが、経営者は予算も時間もスタッフ構成もっとタイトに、ギュウギュウに、シビアに見て、判断して、「いいからやれっ」と強引に命令したあとはゴルフ行ってキャバクラいって、マカオのカジノで100億くらいパーンと使うくらいじゃないと駄目じゃないかなと思います。

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