僕らの心は旅をする。
えーと、今日の午後の日記にも書いたのだけど、
オージーカップルにちょっとだけ親切にしてみた。
まぁ、ATMからお金を下ろすのに、ちょろっと手を貸しただけなのだが。
昔、僕がまだ大学生だったころにオーストラリアに旅をしたことがあって、ご多分にもれず激しく貧乏旅行だった。
一ヶ月の旅の計画で、渡豪2日目にしてパスバスで全予算の半分(後で金が足りなくなって、足か確保できないとシャレにならないので)を使い、残り残金5万円くらいで残りの日々を過ごす事が確定。
っていうか、足りるわけもなく、ほんとアホな俺。
ケアンズをスタートして、命からがら東側を半周してケアンズに戻って来た時には、世間はクリスマスでもり上がってるというのに、ビーチ(エスプラ)で野宿。そりゃ夜にポリスにも怒られるっつーの。
そこで現れたのがマイケル(実名)。
マ:「おい、こんなとこ(←グレハンのターミナル)で何してるんだ?」
お:「タバコ巻いてるの。んで、今日はここで野宿」
マ:「そっかー、そりゃ大変だなぁ、まぁ、とりあえずそんな巻きたばこじゃなくて、これ吸えよ」
と、箱タバコを一本分けてくれた。これって結構太っ腹で、日本とは比べ物にならないくらいタバコが高いあの国では、この出来事は当時の俺にはもはや奇跡。
マ:「ところで、こんなとこに寝るのは危なくないか?ぷはぁ~」
お:「あー、ちょっと怖いけど金ねーんだよ、もう。ぷはぁ~」
マ:「そっかー、ところでお前、飯食ったのか?ぷはぁ~」
お:「いや、まだ。今日は抜きだねー。ぷはぁ~」
マ:「そりゃいけねーよ。よし、俺に着いてこい!ぷはぁ~」
とかなんとかいって、マックに連行。
マ:「(マックにて)あー、あれとこれとそれと、うーん、あとあれも」
マ:「よし、これ喰え」
とかいって、自分は袋からハンバーガーを一個だけ取り出して、残りを俺に差し出してくれるわけですよ。
お:「なんでこんなに優しくしてくれんの?さっきもいったけど、おれ、金ねーし、ケツは貸さねーよ(後半の一部誇張)」
マ:「なに言ってんだ、俺が昔オージーじゃなかったころ(移民らしい)この国をお前みたいに旅して、すげー親切にしてもらったんだよ、だから俺はこんどはお前にそうするし、今度はお前が誰かにしてやるんだよ」
と。
おまけに別れ際に、
「お前明日もちゃんと飯喰えよ」
って言って、10ドルくれたの。
ありえねーよ、マジで。
彼は移民で、冷凍肉工場で働いてるらしく、恐らくは決して高い給料は貰ってないはず。
超感動したよ、ほんと。気持ち号泣、実際は半泣き。
まぁ、翌日僕は残り財産にその貴重な10ドルを足して、
飯を食うか、
宿に泊まるか、
タバコ買うかで、
さっそくタバコを買った愚かな人間なのですが(んで、結局その日も、助けてくれた別の方の家に宿泊、飯付き)。
そんなこんなで、無事に帰国を果たしたわで。
とまぁ、こんなことを今日の午後にオージー二人と別れた後に、なんとなく思い出して、そのときの恩返し、貰った心をお返しできたかなぁと思ったり。
んで今度は日本に来て、親切にしてもらった彼らオージー二人が母国に戻ったあとに、どこかからきた旅人に同じように親切にしてくれたら、その心はまたその旅人に託されて、どこぞの国で親切にしてくれる。
そしてまた旅人に親切に、親切にと、繰り返される。
心に心で返して、さらに重ねて心で返して、さらにまた…とその心はどんどん人から人にバトンタッチされていく。
旅人はいつか自分の国に帰って、いつもの生活に戻っても、その心だけは次から次にまわりまわって、世界中を旅をする。
これってとても素敵なことだ。
旅じゃなくても、すぐ近くでもいい。
隣の人に親切にしてあげる、向かいの人に親切にしてあげる、その繰り返しで、心はいろんなところに旅をして、いつか自分のところに帰ってくるかもしれない。帰ってこなくても、きっと誰かのところには旅をしているはずだ。
自分の身体は一つだけで、色んな理由でそうあちこちには旅できないけど、
自分の心は無限にあって、たった一つの気持ちで色んなところに旅ができる。
いやー、まじ素敵。
あいにく忙しい毎日で旅行に行く暇もないぼくら、せめて心くらいは寛大に色んなところに旅させよう。
suguruさんが良い事言った!
日本ではそれを「情けは人のためならず」という(ハズだ)
・・・・・・うむ、日本人の凄いところは、その親切が「世界を旅してまわる」んでなくて「自分に必ず戻ってくる」と豪語するところだな・・・!
いや、っていうか、コメントはえーし。
>「情けは人のためならず」
そねー、たしかに。
まぁ、欲深いジャボネーゼはそのくらい言わないとできないのか?
いや、そんなことね。
昔の日本にはいろんな親切がうようよしてたものね。
部落単位、集落単位で。
いまじゃマンションとなりの住人の顔もしらねーよ、まったく。
がいこく?
にほんのなかにいる君は路上につばを
吐き捨てるようなコメントしかしないではないか。
その心意気を大切にしてくれ!
ちんちん
>いも
まーねー、身体が荒むと、心も荒むさ。
色んなものを余裕で格納できるおっきい心が欲しいです。
正直泣けた。
あんた、素敵なハゲや。ハゲだけど素敵や。
>ちん
ハゲは余計。
いや、ハゲは余計。
ええ話や。。
俺もケアンズでシティから家に送ってもらった事がある。
俺のケツに向けられてた親切だったけど。
[...] 民族国家であるオーストラリアに移民してきた人に助けてもらった事がある(参照:僕らの心は旅をする)ので多民族国家には良いイメージがある。 行政は大変だろうが、国としての可能 [...]