タイのもめごと

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最近寝るのがめっきり早くなり、だからといって早く起きるかといえばそうでもなく、
ただ、仕事の間ずいぶんと集中力が持続するなぁとぼんやり考えてるフジカワです。

昨日決着がついたようですが、タイでしばらくの間、反政府団体による空港封鎖が続いていました。
現政府の選挙違反に関わる問題が原因でのことでしたが、一方、政府擁護の市民団体も活動し、
双方の衝突も懸念されておりました。

現地滞在中の旅行者達は空港が封鎖されているため帰国できず、
旅行会社からはエアー代金も延泊の宿泊代金の保証もない旨を伝えられて憤慨していたようです。
ラオス経由でベトナムに出て、そこから帰路についた方々も多数いたようですね。

さて、I LOVE THAIの僕としては不思議な感じです。
あんなにエキサイティングなタイ人を見たことがないからです。
いつもぼんやーりしてて、
政治の話なんぞ聞いたことがない。
基本的に人と争うことを好まず、
「微笑みの国」といわれるほど愛嬌のある人達なのです。

そしてその解のひとつに、どうやら生活圏の違いがあるようです。
タイには相続税がありません。贈与税もありません。
裕福層はよほどのボンクラが生まれない限りはずーっと裕福層。
一方貧困層家系はよほどの天才兼努力家が生まれない限りずーっと貧困層。
そんな状態なもんで、必然と生活圏は裕福層ゾーンと貧困層ゾーンのダブルスタンダードになるわけです。

裕福層はちゃんとした教育制度の中で育ち、
国際社会相手にビジネスをするような企業で働くようになるわけで、
そういった環境下にいると自然と政治や国際情勢の動向をチェックするようになるのでしょう。

一方の貧困層といえば今日のご飯、明日のご飯を食べるために、毎日が勝負。
北部農村や、バンコクではカオサン周辺などで海外旅行者を相手に生計を立てている人たちは
こっちの層に入るのでしょう、恐らく。

今回、現政府に反対したり、擁護するために市民運動を展開していたのは、
恐らく裕福層の方々であり、それなりの経済的余力があり、
(当然空港立てこもりの間は経済活動が一切できないでしょうから)
それなりに政府に対しての考えをもつ程度の教育を受けている人達なのだと思います。

そして僕が知っているタイ人は、どちらかというと貧困層の方々で、
日々厳しくも、楽しい毎日を送っているような人たち。

ここでちょっと補足というか、言葉を説明しますが、ここで言う「貧困層」といっても
必ずしも「非常に生活が厳しい、物乞いをする必要があるほど仕事すらない」状態ではなく、
あくまでも「裕福層」との対比として使っている言葉です。
貧困層と言っても、タバコも吸うし、夜になるとお酒も飲むし、それなりに充実した生活をしています。
それぞれの生活エリアでは物価体系が明らかに線引きされていますが、
それぞれに適した適正価格で商品が扱われているからです。
裕福層には裕福層向けの経済が、貧困層には貧困層向けの経済が。
それぞれが両立しているから、それぞれで人々はそれなりの営みを送ることができています。
都心部にもそれなりに物乞いはいますが、
恐らく本当に「貧困」な状態の人達は都心部よりも北部農村地域に多く存在しているのだと思います。
(僕は北部農村地域に関する知識をあまり持ち合わせていないため、詳しくはわかりませんが…)

教育を受けたがために母国の未来を憂い、活動を起こす者。
教育を受けられないために、そういったことには関与せず(できず)に、また、そうなっていることすら知らずに(彼らが新聞とか、ニュースとか見てるのを目撃したことがない)目の前にある毎日という現実だけを過ごす者。
さらに、なんらかの理由で経済の枠組みに上手く組み込んでもらうことができずに、過去から未来まで物乞いを続ける者。

ここまで書きながら、もしかしたら日本の将来もこんな感じになるんじゃなかろうか、なんて考え始めました。
社会保障制度が今のところそれなりに機能してるので
物乞いってことはそんなにないと思いますが(現状でも若干ありますが)、
日本でも経済面で二極化が進んでおり、
もともとその傾向にあった欧米の経済システムに仕組みが寄りつつあることを考えると、
いつの日か、明確に裕福層と貧困層の生活圏が明確になる時が来るかもしれません。

そうなったら、今までのような総中流社会ではなく、
前向きに二極化に対応できる社会の仕組み作りが必要になるかもしれません。
全国民が目指す(しがみつく)中流社会から落ちたら人生終了、というのではなく、
決して大成功とは言わないが、それなりに幸せに、家族を養いながら、
毎日をハッピーに暮らしていくことが可能な枠組みがあれば、
場合によっては自らの価値観でそんな生活を選択する人もでてくるような気がします。

少なくとも東南アジア周辺でうろうろしている日本に居場所のない日本人なんか(いわゆる「外こもり」)は、
帰国してこのエリア住民になるでしょう。
また、海外からの観光客達にとって最大の障壁といえる物価の高さも、このエリアを利用することでクリアできるでしょう。
気に入れば日本への移住も検討するでしょうし、今の日本の課題の一つである労働人口の確保にも繋がります。
そうすればいずれは少子化への歯止めにつながるでしょう。

お、なんか閉塞感漂う日本に新しい光が差してくるような気がしませんか?
話が思いっきり脱線していますが、まとめる時間がないので、今日はここまで。

写真はタイで買ったケント。恐ろしい写真です。
それでもなお吸うんだから、タバコ喫煙者は大麻喫煙者と同じくらいタチが悪いのかもしれません。

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