困る人はあまりいないかもね|Yahoo!×Google

夢見る少女じゃいられないフジカワです、こんにちは。一応言っておきますが男です、僕は。一瞬フレーズが頭をよぎったので、思考を停止して文字に起しただけですいません。

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まじかいな

昨夜はWeb業界界隈の人達には衝撃が走りました。
Yahoo!JAPANが採用する検索エンジン及び検索連動広告のシステムを自社開発からGoogleのものに切り替えるという発表。

日本において利用者数で圧倒的No. 1 を誇るインターネット総合サービスカンパニーであるYahoo! JAPAN は、様々な人気の高いサービスを提供しておりますが、そのなかの一つである検索サービスにおいて使用している「検索エンジン(インターネットに存在する情報を検索する機能)」と、「検索連動型広告配信システム(検索キーワードに連動した最適な広告を検索を利用されているお客様に配信するシステム)」をGoogle Inc.(米国カリフォルニア州、米ナスダック上場、以下「グーグル」)のエンジンおよびシステムに切り替えることに決定いたしました。
Yahoo! JAPAN の検索サービスにおけるグーグルの検索エンジンと検索連動型広告配信システムの採用、ならびにYahoo! JAPAN からグーグルへのデータ提供について(pdf)

スクエアとエニックス合併の次に驚きました。

いや、まじめな話、結局のところYahoo! だけで検索エンジンの開発をしていくのは大変orペイできないということでしょうか。
大騒ぎして独自の検索エンジン開発を始めてみたものの、不安定なアルゴリズムでSEO業者達には嫌われ、一般ユーザー達はGoogleに流れていっちゃったので、このままエンジンの独自開発を続けるよりも、いっそアウトソーシングして、その分のリソースを他に回したほうがいんじゃね?という判断でしょうか。

そもそもYahoo! JAPANはGoogleと違って「検索エンジン屋」ではないし、リソースはいくらでも使い道はあります。そう考えると、
・検索エンジン自体を強化→検索エンジンユーザー増加→連動広告ユーザー増加
よりも
・その他ポータル情報を拡充→サイト自体のPV増加→検索エンジン連動広告に限らない広告枠の単価上昇
という流れを大切にしていくのも良い方法だと思う。検索システムをベースにしたサービスを根っこにして飯を喰ってるGoogleと違って、各種情報サービスを総合的に提供しているYahoo! JAPANとしては長期的には後者の方が選択肢は開けるだろうし。

検索連動広告から次の収益モデルへ

あとは、「そもそも収益モデルのメインが検索エンジンではなくなる」ということもあります。
・検索する→関連広告を表示→サイト訪問→コンバージョン
という収益モデルはもはや定番ともいえますが、それだけに「大きな成長」は望めません。現在は
・面白い何か→SNS、ブログ、twitterで拡散→サイト訪問→コンバージョン
という「相手が自然とアクションを起こしたくなるアプローチ」戦略が流行りなので、「検索してもらうのを待つ」ようなプル型よりも「ね!ちょっとおもしろくない?(良かったら友人にも教えてあげて)」のプッシュ型あるいはバズ型を多く見かけます。
人々が「検索」する回数というのは今後も少しずつ増えていくだろうけど、ハード、ソフト両面の進歩によるネット上での表現方法の多様化やオンライン上のコミュニティーの多網化によって、「Web上での広告アプローチ手法」の分岐、多様化がそれ以上のスピードで進んでいくことは間違いありません。そうなると「検索連動広告」の価値自体は相対的に下がっていくのは避けられなくなります。出稿側の予算にも上限はあるので、さまざまなアプローチで広告を用意するとなると、それぞれに回せるお金が少なくなるのは当然と言えます。
という風に考えた場合、ポータルサイト事業を営むYahoo! JAPANが今後少しずつ価値を失っていくと予想される検索エンジン開発に多くの費用をつぎ込むのは得策ではないと判断するのにも納得がいきます。

さてYahoo! JAPANの今後は

広告は「人がいるところ」に出すのが常識。それがかつては検索エンジンでしたが、現在はオンラインコミュニティーへと移っています。検索エンジンにもいるにはいますが、モバイル端末からのコミュニティー参入で母数がぐんと上がり、相対的に検索エンジンの割合が減ってきています。そうなってくると、広告分野でもビジネスフィールドは検索エンジンからユーザー同士で情報の受発信ができるコミュニティーに移っていきます。グリー、mixi、そしてFacebook。そういったSNSに同種サービスで真っ向から対抗するのか、Yahoo! JAPANらしい、それらとはちょっと違うコミュニティーの場を提供してくれるのか、それとも「人は人、うちはうち」で、さらにポータルとしての完成度を上げていくことにリソースをつぎ込むのか。
個人的にはYahoo! JAPANには総合商社のようであって欲しいと思っています。「特に何って事はないんだけど、社会をちょっと覗きたい」って時に思い出すのがYahoo! JAPANであればうれしいなぁと。少ないリソースでやらなきゃいけない規模じゃないんだから、細かいところは中小零細に任せて、Yahoo! JAPANはドンと全方位に向けて構えていられるようなあり方でいて欲しい、と思う。

僕への影響

…と、ひとしきり騒いだ後に良く考えて、今後の自分に影響のあること。
・Yahoo!サイトエクスプローラーはどうなるのか
なんか、あんまり有効活用してたとは言いにくいのだけれど、今後はどうなるのかな?

・元OvertureとAdwordsの扱い
検索連動広告のシステム自体はGoogleのものを使うとしても、表示先がYahoo! JAPAN上の検索結果であるのであれば、やはり出稿先はYahoo! JAPANとなるのだろうか。さらにAdwordsにも出稿する場合は、同じようなシステムやUIでもそれぞれにキーワードや入札金額の管理をしなければならないのか。もしも統一して、「一つの管理画面でYahoo! JAPANとGoogle、両方の出稿を管理できる」というのであれば便利かも。

・SEO対策
別に今までもそれぞれのエンジン別に細かいチューニングをしていたわけではないので、実はあまり影響はない。「ドメインを育てる」といった気持ち程度なので、引き続き基礎を丁寧に作業するだけ。とはいえやはり対象が一つに絞られることで出てくるメリットというのは少なからずあると思う。

その他

「MSは好きではないけどBingも応援せざるを得ない」という話も。これ以上Googleが一党独裁的に情報を握るのは心配だ。スカイネットができちゃう。
あと、どちらかというと僕にとっては昨夜Appleから発表されたApple Battery Chargerのほうが驚き。どこがOEM提供してのかな。

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