アップル以外が参入に二の足を踏む理由|タブレット

くもじいは9611歳だそうですよ。こんにちは、フジカワです。あの番組結構好きです。学生時代、NHKの放送終了後にもあんなのが朝までやってました。ナレーションもキャラクターも一切無しで、ただただ空撮映像の垂れ流しでしたが。

タブレット市場にiPad以外が出てこない理由

iPadが他社製タブレット端末を駆逐か、ネットブック市場をも取り込んで一人勝ちする可能性も(GIGAZINE) – livedoor ニュース
を見て、「竹の子のように他社に追従して同カテゴリ端末を出すPC業界」がなぜタブレットについてはそのような動きを見せないのか考えた。

アップルのようなエコシステムがない

アップルは端末販売後もiTune Storeでのコンテンツ販売で収益を継続できるエコシステムを持っているが、その他のメーカーは基本的に端末販売が利益の全てとなる。つまりアップルは携帯電話のようにコンテンツ収益(携帯では通信料金)で費用を回収できる分、端末本体を低価格で提供しても利益を出すことができるが、その他のメーカーはそれが出来ないため、全ての開発コストを端末販売のみで回収しなければならない。その結果、端末本体の価格競争においてアップルよりも不利な条件で戦わねばならない。

敵はアップルではない

アップル以外のメーカーがタブレット市場に参入するとPCのようにアップル以外のメーカー間競争が発生する。現在のところ、タブレット市場全体では「iPad vs その他タブレット」という争いだが、各メーカーにとっては「その他」の内での「メーカー間の争い」となる。敵はアップルではない。

客単価が低い

PCの場合はWindows機シェアもPC端末単価も大きかったため各社参入でもそれぞれの利益が十分にあったが、現在のタブレット市場はそれほど大きくなく、各メーカーの利益が十分に出ない。

開発コストが掛かる

・タブレットは新しいジャンルという点で(少なくともしばらくの間は)開発コストは既存PCよりも高くなる。その一方でiPadが作った「タブレットはPCに比べて低い」というイメージもある。安い販売単価で高い開発コストをペイできるだけの市場規模がない。

携帯ほど普及率が高くない

タブレット市場は今のところ携帯電話のように「一人一台」という市場ではない。性質的に今後もそこまでの成長は考えにくい。

開発リソースを割けない

せっかくネットブックに力を入れてきたのに、急にそれをやめてタブレットに切り替えるのはメーカーとして抵抗がある。開発リソースを割くほどの余力もない。

ネットブックじゃだめ?

ネットブックとタブレットは互いに市場を食い合う可能性がある。というか結局ネットブックもさほど売れていない。

市場は大きくなるの?

そもそもタブレット市場が大きく成長するか懐疑的。

じゃあどうするの?

じゃあどうすればiPadと戦えるタブレットを世に出せるのか、という話。全然わからなかったので、ふざけた案を2つ。

市場を開拓する

個人ユースで普及が広がるiPadだが、企業内、医療機関、教育機関等、組織的に導入しているケースは少ない。SoftBankの孫社長が「光の道論争」の中でそれら組織にiPadの導入を提案しているが、具体的になっている話は聞かない。コンシューマ市場ではなくそういった具体的市場を一点突破的に狙っていく。孫社長と正面から戦うのは容易ではないが、一つ上手くいけば感染的に他の組織での採用の道も開ける可能性はある。もちろん今までのBtoBのようなふざけた商売方法はNG。アップル(SoftBank)相手にはそんなボロい商売は通用しない。コンシューマ市場が未成熟なら他のところを開拓すればよい。

アップルに頭を下げる

多分無理だと思うけど、ライセンスを出してもらえるようにアップルに頭を下げまくる。アップルが提示してくる全ての条件を呑んで、ジョブスが納得するような優れたデザインの製品を用意する。百万が一、ジョブスに許しを貰って商売を始めても、恐らく収益のほとんどをアップルに持っていかれるのでタブレットではまったく儲からないと思う。が、話題性と「アップルと組んだ」という点でメーカー自体のブランド力も高まる可能性がある。
さらにそのメーカーのインハウスデザイナーも次のステップに進み、上層部もプロダクトデザインへの理解を深める良い機会を得るというおまけ付き。

できそうなところはソニーだけ?

アップルと同じ戦い方をできる可能性があるのはマルチメディアコンテンツを持つソニーのみ。しかし、今から同じモデルで戦うのは得策とは言いがたい。使えるリソースとコンテンツで、「アップルがやっていない事」で「ソニーだから出来る事」をやらないと駄目。それがなにかは僕にはわからないが。

まとめ

ちょっと考えてみましたが、ろくな作戦が浮かびません。ま、僕が考えられるようならとっくにメーカーが考えて実践してるでしょうけど。
なかなか各メーカーが動かないのは決定打がないからなのでしょうね。
タブレットの有用性はアプリの量と質が担ってる部分が大きいので、そこをどうするかが今後のポイントなのかなと思います。
こうなってくると音楽・動画等のコンテンツやアプリ、その管理システムとしてのiTunes+Mac、そして携帯デバイスとしてのiPad、と、垂直統合的に情報の入り口から出口まで全てを網羅しているアップルに挑むのは本当に難しいんだろうな、と思います。
そういえばMicrosoftって何してるんでしょうかね?

追加

と、こんなエントリーを書いていたら、本日東芝がandroidのタブレットを発表した様子。
iPadに強力なライバル!東芝、Androidを搭載したタブレット端末を発表 – ITライフハック – ライブドアブログ
さてさて、どう出る各社。

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