自分で作ってみた|手作り表札
明けましておめでとうございます。今年もまずまず緩やかに行きたい所存です。よろしく。
結構高いんですね
2010年の末に引っ越して、新しい表札を用意することにしました。
いろいろと調べてみましたが、意外に高いんですね、表札って。
まぁ何というか、表札が立派だとその家柄や住んでいる方々の人間性もりっぱなような気になるし、立派な家には得てして立派な表札がついているものです。
ということは我が家には特段立派な表札は必要ないな、という結論にいたりました。
立派な家でもないし、立派な家柄でもないし、残念ながら立派な人間性も持ち合わせておりませぬゆえ。
自分でも作れるんじゃないの
というわけでなかなか無い機会なので自分で作ってみることにしました。
表札なんて「ここに住んでる人は誰なのか」ってことを郵便屋さんと佐川さんと黒猫さんにお伝えできれば良いわけです。
立派な表札なんて住人にとってプレッシャーになるだけです。
いいじゃない、手作り。
僕が作ろうと思ってネットで調べたときにはちょっと情報が少なかったので僕の作業ログも残しておきます。
レシピ
というわけでさっそく材料。
1.木
何でも良いのですが、さすがにベニヤ等の合板はまずいと判断。ホームセンターの表札作成サービス受付に相談し、生の木だけを譲っていただきました。たしか5000円位だったかと。ただ、後から判明しましたがジョイフルAK(北海道ね)でも買えます。もう少し安く。
2.墨と筆
名前を書くのに使います。安い墨だと滲んだり褪せたりしそうだったので高いのを買いました。筆は家にあったのを使用。
3.との粉
水に溶いて木に塗りこむことで墨をのせた時の滲みを防ぎます。
4.彫刻刀と紙やすり
この後説明しますが、ただ木に名前を書くだけだとつまらなそうだったので少し彫ってみました。
5.ニス
乾いた後の墨は水を弾くはずですが、それでも雨風にさらされるので一応保護目的でニスをシューっと。
6.ネジ
外壁に表札を掛けるのに使います。
材料は以上。
手順
材料がそろったところで早速作っていきましょう。
まず木
檜(ひのき)を購入。旅館のお風呂の匂いです。
表札用なので裏にはちゃんと引っ掛ける穴が開いています。
表札のデザイン
木のサイズに合わせて、フォントや文字サイズ、字間などを調節しながらいくつかパターンを作ってみます。写真では以前作った家紋をあしらったパターンも用意してみましたが、最終的には不採用。結果的には正解でした。理由は後ほど。
これが墨
ここまで書いて、写真は上の材料のくだりで載せるべきだったと反省しつつも面倒なのでこのままいっちゃいます。墨はこれ。
筆
小学生の時からのお付き合い。数種類あると便利。赤い汚れは絵の具ではなくプラカラー。ファイヤードラゴン(何それという質問は却下)の色です。
との粉
彫刻刀
彫刻刀はこれ。僕の実家に捜索依頼を出したのですが結局出てこなかったので、今回は妻が中学生の時に使ってたものを拝借。
切り出しを使います。
ちなみにこれは妻の父の彫刻刀。うまくなるとこれ一本で全ての彫り方が出来る様になるらしいのですが、残念な結果になりそうなので今回は使用を見送ります。
下絵を木に写す
下絵(デザイン)が決まったら、早速木に転写していきます。カーボンがあればらくなのですが、あいにく用意を忘れていたので原始的な方法で転写します。
下絵を裏返して、文字の部分を鉛筆でと塗りつぶします。遠慮なく強めにやってしまうのが今後の成功につながります。
終わったら下絵を表札のサイズにカットし、木とぴったり合わせます。
上からシャープペンあたりでススーッとなぞっていきます。
スススーッと。
こんな感じになればOK。ただ、ちょっと見えにくいので木に直接一回なぞっておきましょう。
これで転写は完了です。
次は彫る
それでは彫っていきましょう。彫るときは文字の部分を残して回りを彫る方法と、逆に文字の部分を彫る方法、文字の部分を彫るにも、淵だけ彫るか、文字全体を彫るかなどいくつかの選択肢がありますが、今回は一番簡単そうな「文字の淵だけ彫る方法」を選択。
丁寧に淵を彫っていきます。
スススイーッと。
彫った後は紙やすりでささっときれいにしておきます。ここでボソボソしてると墨を乗せたときにそこから滲みます、多分。
この工程が一番しんどかったです。面倒くさい。家紋を入れなくて超正解でした。やってたら途中で投げ出してたかも。
との粉を塗る
お次はとの粉を塗っていきます。
紙コップにとの粉を入れ、水を少々。
面相筆でまぜまぜします。水を入れて攪拌するととの粉は早いスピードで硬くなっていきます。水を入れてから木に塗るまではスピーディーに作業していきましょう。
それペタペタと。
布切れで「の」の字を書くようにして塗りこんでいきます。
塗り終わったら一晩くらい放置して、しっかりと乾かしましょう。
じゃ、墨をのせます
緊張しますね。ここで失敗したら今までの時間が水の泡です。
淵を塗る前に真ん中部分に墨を乗せて滲み具合を見ていきます。結構滲みます。
丁寧に淵を取っていきます。
画数の少ない字は楽でいいなー。
全部塗ったらこうなります。墨入れの工程はこれでお終い。ここまできたら終わったも同然です。
ニスを塗ります
ニスを塗ります。ムラが出るといやなので僕はスプレー型で。一度に沢山吹き付けると垂れてくるので数回に分けて薄めに塗るのがコツ。急がば回れです。
最後は壁に
ご希望の場所にビスを打ち、出来上がった表札を掛けましょう。
ビスは、打つ前に一度表札の穴に入れてみて、ちゃんと固定できるサイズをえらびましょうね。表札がガタンとか落ちたらなんだか縁起が悪いので。
よいしょ。これで完成です。お疲れ様でした。
やってみた感想
ちょっと時間が掛かりますが、やってみると意外に簡単。こういうのが好きな人には楽しくできるのではないかと思います。
自宅の表札を自分で作るってのもなんだか良いものです。愛着持てますし。
また、時間が掛かるのは彫るところだけです。それ以外はサクサク作業できます。彫らずにやれば一日(乾燥時間を除く)でできるんじゃないかなぁ。
DIYが好きな方は是非挑戦してみてください。
おまけ1
妻の祖母が書道の先生をやっていて、本当は彼女に書いて欲しかったんです。ですが数年前に他界してしまい、それが残念でした。
おまけ2
ちなみに妻の実家はその祖母に書いてもらった表札を使っています。彫ったりはせずに檜に墨で苗字を書いただけのシンプルなものです。その表札は15年ほど経過しているのですが、墨の部分はそのまま残り、まわりの部分は木がやせて、窪んでいます。まるで彫ったかのような立体感が出ており、とても美しい表札です。
おまけ3
木とニス以外の材料は残ってます。僕のお知り合いで表札作る方、ご連絡お待ちしております(笑)。最近多いんだよなー、引越ししてる人。
素敵です!そして勉強になりました^^今ちょうどホームセンターで材料を買いに行きましたが、桧の良いサイズが売っておらず、断念して帰宅しました。
との粉を使うんですね!何も分からずに作ろうとしていました(笑)
家を購入して色々お金がかかるので自分で製作したく、書道もしていたのでとても興味ありました。この作り方を参考にしたら作れそうに思いました!
本当にこの作り方を見てよかったです!やる気が出てきました!頑張りたいと思います!
おー!仲間だ!頑張ってください。あまり気張らずにリラックスして時間を掛けるのが成功のコツです(経験者談)。
はじめまして。
自作表札について調べてるうちに漂着しました(´ー`)
新居の表札に、木の板に手彫り、墨入れしたものを自作しようと思っていたので、フジカワさんのこのページが何より参考になりそうです(^_^)
明後日引っ越しでなかなか表札制作に取り掛かれそうにありませんが、荷ほどき終えて一段落したら、自分も挑戦しようと思います(^^)/
はじめまして。
私は、福祉施設を運営しているものです。
居室に入居していただいている方に表札を作りたくて、ネットで調べているうちにここにたどり着きました。
最初は、ただ木に墨汁で名前を書いていて、滲んで滲んで(涙)
との粉の存在をここで知って、助かりました。
今、入居者さま全員分の表札作りに励んでます!!
とても参考になりました♪
つたない記事ですが参考になったようで何よりです。
素敵な表札をお作りできると良いですね!
頑張ってください!
大変参考になりました。本日すぐに同じようなやり方で表札を作りました。
明日、ニスを買って塗れば完成します。
取り付け場所は玄関先の木です。
ありがとうございました。
[...] [DIY, 日々之戯言] 自分で作ってみた|手作り表札 -スグラボ- [...]
素晴らしい表札ですね。
参考にさせていただきながら今から作成する所です。
お使いになったフォントで作成したいのですが
フォント名教えていただけないでしょうか?
よろしくお願いいたします。
回答が相当遅くなりました。ごめんなさい。
もう表札はお作りになりましたか?
書体は「DF祥南行書体 Std W5」というもので、たしかダイナフォントか何かのパッケージに含まれていたものと記憶しています。
無事に良い表札が完成することを祈っております、楽しんでください!
お返事ありがとうございます。
2月中に何とか作成いたしました。
玄関タイル壁に強力両面テープで貼付けています。
近所の知り合いの大工さんから檜の残材で
材料を作って頂きました。
彫刻刀は中学時代の物は無く、ホームセンターから5本セットで
500円くらいの安い物を購入いたしました。
しかし切れ味は全然で、かなり苦労いたしました。
にじみ防止は砥の粉は使用せず、ポスターカラーに墨汁をまぜて
やりました(ネットで検索中に知り得た情報)。
全くにじみませんでした。
ニスは薄く4回(1日1回)スプレーしてトロトロになりました。
今回は大変参考になりました。ありがとうございました。
[...] 来上がりは家紋の出来も含めて「素晴らしい」に一言です。「なかなか真似できないかな」というのが正直なところです。 blog.sugulab.com「自分で作ってみた|手作り表札」(外部リンク) [...]
との粉は、全体にぬるんでしょうか?それとも文字以外の所にぬるんでしょうか?との粉の塗り方教えてください。
との粉は全体に塗ります。文字のところも含めてしっかりと塗り込みました。頑張ってください!
素晴らしいです!
参考にさせてもらいます。
少し教えてください。
実は私が高3の時に書いた表札が出て来ました。
私は事情があって旧姓に戻ったのでその表札を掲げることができたのですが…
あいにく汚れてしまってます…
サンドペーパーで周りを綺麗にするか、
彫刻刀で周りを彫るか、悩んでいます…
どっちが確実でしょうか?
初めまして。
端午の節句の飾りを手作りしていて。
文字の彫り方を探してたどり着きました。
本文中にあります、上達すればこれ一本で掘れるという、妻の父の彫刻刀というのは、どちらの物か分かりますでしょうか?
分かりましたら教えて頂きたいです。
よろしくお願い致します。
父の放置プレイにより連絡が遅くなってしまいごめんなさい。
結論から言うと詳細は分かりませんでした。だいぶん昔に購入したらしく「京都の物産展で購入したこと以外は何も覚えておらん」と。
おやくに立てずスイマセン。
教えて頂いた手順に従い作成したところ、思った以上に立派で素敵な表札が出来上がりました。もともと工作好きですので作成自体も楽しかったですし、何かとても愛着が沸きます。
実は神社のお社や鳥居を建て替える際に出来た余材で作ったという表札の板を頂戴したのですが、持ち込みの板での作成は業者さんの方では受けてもらえず、有難い板を廃棄するのも嫌で、作成できないか調べていてこちらの投稿を知りました。購入したのも、との粉とニスだけでとても安上がりでした。
どうも有難うございました。
はじめまして。実家に亡き父が用意してた桜の木の表札の木が30年前からありこの度やっとやっと使うことになってネット検索したところ、同じお名前の写真が出てきてびっくりしました。全てを参考にさせていただき楽しく作成出来ました。私の出来栄えはいまいちですが(^^;ありがとうございました。